お子さまの治療について

子どものイメージ写真

お子さまは、単に大人を小さくした存在ではありません。生まれてから、だいたい体重が25kgくらいになるまでの小児期は、成人と比べて、体の機能にかなりの差異があります。

構造的には、子どもの耳・鼻・喉の管は短かったり、耳管の傾斜がほぼ水平だったりするため、大人以上にそれらの相互関係の深いのが一つの特徴です。

そのため、同じ病気であっても症状や治療方法なども変わってきます。
大人ほどうまく症状や不調について表現や説明ができないので、保護者の方の理解と協力が必要不可欠と言えます。
繰り返すくしゃみや咳、鼻水が出る、黄色い鼻汁が止まらないなど周りでもすぐに気が付くような症状は別ですが、本人の自覚症状に頼ることが多い疾患の場合は注意が必要です。

耳の聞こえが悪い、よく聞き返す、テレビの音量が高い、耳垢が多い、耳をよくさわる、鼻声になっている、よく鼻血を出す、喉が腫れて見える、扁桃腺が大きいなど、ちょっとした様子の違いなどがあれば、当クリニックまでお気軽にご相談ください。

お子さまのこんな症状はご相談ください

  • くしゃみ、鼻水、鼻づまりが続く
  • 鼻声になっている
  • よく鼻血を出す
  • 喉を痛がる
  • 咳、痰が続く
  • ゼーゼーする
  • いびきをかく
  • 扁桃腺が大きい

など

子どもに多い耳鼻咽喉科の疾患

急性中耳炎

最も一般的な中耳炎です。
中耳(鼓膜の奥の小空間)に細菌やウイルスが入り込み、急性の炎症が生じて、膿が溜まります。
子どもに多く見られるのは、大人と比べて耳管が太くて短く、傾きも水平に近いため、鼻水の病原体が耳に届きやすいからです。

症状

ズキズキする激しい耳の痛み、発熱、耳だれ(耳漏)、耳がつまった感じ、などがあります。
乳児などでは言葉で痛みを訴えられないために、機嫌が悪くなってぐずったり、しきりと耳に手をやったりします。

扁桃炎

扁桃炎とは口蓋垂(こうがいすい:のどちんこ)の左右に一個ずつある口蓋扁桃に、ウイルスや細菌による急性の炎症が起こる疾患です。
急性扁桃炎の原因は主にウイルスで、プール熱を起こすアデノウィルスや、手足口病やヘルパンギーナを起こすエンテロウイルスなどがよく見られます。
これらウイルス性が原因の場合、消炎剤や解熱剤などで症状を和らげながら自己の免疫力で徐々にウイルスを退治し扁桃炎を治癒させていきます。

副鼻腔炎(蓄膿症)

副鼻腔という、鼻腔(びくう:鼻の穴)とつながっている空洞にウイルスや細菌の感染がもとで炎症が起きる疾患です。
子どもでは鼻腔と副鼻腔の通り道が広く、病原体が副鼻腔に入りやすいため、副鼻腔炎を起こしやすいものです。
また、副鼻腔炎は、鼻風邪とまぎらわしい場合が少なくありませんが、お子さまの鼻のすっきりしない感じが続くようなら、一度ご相談ください。